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The Botanical Society of Tosa

土佐植物研究会

<お問い合わせ先>
TEL:090-7622-1257

2025年11月23日(日)に第621回月例会(須崎市浦ノ内甲崎,鳴無神社周辺)が12名の参加で行われました。

これ以上ないほどの絶好の秋晴れの下,9時30分までに12名の参加者が土佐市宇佐町竜の浜パーキングに集合した。遠く長野県から藤田さんも来て下さっていて嬉しく思った。そこで5台の車に分乗し,横波スカイラインを甲崎の岬の付け根まで走った。そこから林の中の細い道を岬の先端の方向に歩きながら観察した。進むにつれて道はかなり荒れていた。観察できた植物は,樹木が殆どで,草本は非常に少なかった。樹木の中でも蔓性の植物が目立って繁茂しており,その同定は上部の葉がなかなか見づらく,サカキカズラ,クズ,ムベ,サネカズラ,ツタなどは分かったが,他にも別の種の蔓が明らかにあった。

①集合
①集合
②甲崎の観察
②甲崎の観察
③甲崎の観察2
③甲崎の観察2
④ヤクシソウ
④ヤクシソウ

樹木では,ヒメユズリハ,ヒサカキ,ヤマザクラ,クスノキ,タブノキ,ヤブニッケイ,ナワシログミ,クロガネモチ,ヤマモモ,モチノキ,ネズミモチ,トベラ,ビワなどが多かった。が,アラカシなどのカシ類やスダジイなどのシイ類などは一切見かけなかったことが意外であったし,同じ横浪半島の少し東にあり同じように太平洋に長く突き出ている帷子崎にはたくさんあったトキワガキなども見かけなかった。しかし,一週間前の下見のときには,岬のもう少し先で,かなり巨木のケヤキを数本見かけたし,この岬の面白さを感じた。花はナワシログミの花を見かけたぐらいだった。甲崎の先端まではまだまだ遠く,また,道も険しく危険を伴うので,岬の先端までの3分の1弱の地点で引き返した。下見のときに,地元の方が,「ここでは3人も死んでいるので気を付けて下さい」と言われていた。12時近くに車のところまで帰り,すぐに次の観察地の鳴無神社に向かい,そこで昼食をとった。

⑤センボンヤリ
⑤センボンヤリ
⑥鳴無神社周辺
⑥鳴無神社周辺
⑦ツゲモチの果実
⑦ツゲモチの果実
⑧鳴無神社周辺の観察
⑧鳴無神社周辺の観察

鳴無神社は国の重要文化財に指定されており,なかなかの人気スポットで,多くの観光客が訪れていた。神社境内のツゲモチの大木は,市の指定文化財であり,ちょうど小さい果実が赤く色づいていて絶好の観察時期だった。滅多にお目に懸かれない希少樹種なので,嬉しくて夢中でシャッターを切った。大木の下には小さいツゲモチの木も1本見かけられた。昼食後は,神社の東方向の山すそに沿って観察した。イスノキやコバンモチ,ミサオノキなどが目についた。そしてイヌマキの赤く熟した果床,シマサルナシの旨そうな果実,ウドカズラの赤~黒色の果実,真っ赤に熟した美しいビナンカズラの果実など秋ならではの嬉しい出会いが次々とあり,小春日和の浦ノ内湾沿いの散策となった。今年はどこも柿が豊作で人家の庭先にはたわわに実った柿の実が目についた。ヤブチョロギの花の群落も初めて見ることができた。耕作放棄地にはオオオナモミが我が物顔に大群落をなしていた。藤田さんから時折,長野の植生との違いを感じる出会いの説明を聞くことができ,意外に思ったり感心したりでよい刺激をいただいた。

⑨たわわに実ったシマサルナシ
⑨たわわに実ったシマサルナシ
⑩シロダモ♂花
⑩シロダモ♂花
⑪サネカズラ
⑪サネカズラ

14時半頃散策を切り上げ,土佐市の竜の浜駐車場に帰り15時頃散会した。今回はすぐ近くの2か所の地点の観察であったが,全く違う雰囲気を味わうことができ,横浪半島の地形や環境の複雑さを実感した一日となった。

〔宇田英一〕