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The Botanical Society of Tosa

土佐植物研究会

<お問い合わせ先>
TEL:090-7622-1257

2025年2月22日(土)に第612回月例会(東洋町野根・甲浦)が11名の参加で行われました。

1野根八幡宮境内
1野根八幡宮境内
 9時30分に室戸のジオパークセンターに11人が集合した。天候は良いが風が強く肌寒い。本日の予定を伝えて直ちに9台の車で東洋町へ向けて出発した。風がある割には海は荒れていない。植栽のウメの花があちこちで咲いている。国道55号線を1時間ほど走って東洋町野根八幡宮に到着し,境内前の車道に駐車して早速観察を開始した。

 社殿西側の林はかつては高木層にスダジイ,イスノキ,コバンモチ,亜高木層にミミズバイ,ミサオノキ,カンザブロウノキが多い高知県東部沿岸地の典型的なシイ型森林であったが,現在はスギ・ヒノキの植林になっている。低木層にビロードムラサキが多くみられるのが特徴的であるが,シカの食害があるようで,社殿東側の林下のビロードムラサキ群落は縮小しているように見えた。ビロードムラサキは白い果実の付く時期ではあるが,実つきはあまりよくない。境内にスダジイやイスノキ,タブノキ,ヤマモガシ,シロダモなどの大径木が残存しており,樹幹にはフウトウカズラやテイカカズラなどの蔓が絡みついている。林床にはツルコウジのほかキジノオシダ,ミヤマノコギリシダ,ホソバカナワラビ,コバノカナワラビなどの常緑シダ類も多い。社殿西側にイスノキの大木が並んでおり,樹幹にはマツバランが着生している。鳥居の西側に痛んだヤマモガシの大木があり,めったに大木には遭遇しないので皆で観察した。付近には幼木や稚樹が見られたので,花が咲いていたものと思われ,是非ともあの独特な穂状の花を見たいものである。

 さらに西側の忠霊塔付近へ移動して観察すると,ぼこぼこの樹幹をもったイスノキや,イスノキの割れた果実,カンザブロウノキの虫えいと思われるもの,ミサオノキの早くも準備された蕾などが見られた。
2野根八幡宮ビロードムラサキ群落
2野根八幡宮ビロードムラサキ群落
3野根八幡宮ビロードムラサキ果実
3野根八幡宮ビロードムラサキ果実
4野根八幡宮ヤマモガシの観察
4野根八幡宮ヤマモガシの観察
5野根八幡宮イスノキの果実と虫えい
5野根八幡宮イスノキの果実と虫えい
6甲浦植え込みのマツバラン
6甲浦植え込みのマツバラン
 12時のサイレンとともに車にもどり,12時15分ころに白浜の道の駅に到着した。土曜日でもあり,道の駅には結構車がおり,時折名物の安佐海岸鉄道DMVが到着する。北からの風が強いので,建物の南側の風の来ない日向で昼食とした。目の前に広がる白浜の海岸はいつ見ても気持ちが良い。などとのんびりしていたところ,突然食べ物を持っていた右手に強い衝撃が・・・?と思ったら,なんとトビに襲われた模様。昼休みに中平氏が植込みの下草のようにマツバランが生えている場所を見つけ,これも?であった。
7甲浦クサマルハチ
7甲浦クサマルハチ
 13時すぎに道の駅から徒歩で甲浦港方面へ移動した。小学校裏山の津波避難路の道に向かう道ぶちにヤクシソウやシハイスミレやコスミレの花が咲いている。コバンモチやカナメモチ,カクレミノなどとともに,のり面にはノコギリシダ,オオカナワラビ,シロヤマシダ,ウラボシノコギリシダ,オオハナワラビ,シチトウハナワラビなどのシダ類が多く,ぼつぼつと目的のクサマルハチも出始める。国道上の陸橋を渡ると民家があり,トウチクやビロードムラサキ,サンゴジュ,トキワガキ,エダウチホングウシダ,ミヤマノコギリシダなどが見られ,さらにその先にはウラジロ群落の中に,中型のクサマルハチが比較的多く出現してくる。ここのクサマルハチは東洋町の天然記念物に指定されている。14時40分になり,小学校へ降りる急な石段から下山した。小学校の門の横には二宮金次郎の像があるのは珍しい。小池川沿いの道を下り,15時に道の駅で本日の復習の後解散した。

〔鴻上泰〕