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観察スタート |
10月20日の日曜日,昨日の雨も嘘のように晴れ上がり,青空の下,予定の9:30に集合場所の駐車場に集まったメンバーは全部で13人だった。気温は15℃と過ごしやすい。いつもは,我々だけの車しかないが,今日は何かイベントがあるようで,子ども連れの家族を乗せた車も次々とやってくる。迷惑をかけてはいけないので,全員で,石原林道の入り口へ移動した。
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アキチョウジ |
10:10,林道入り口に全員が到着。集合場所の気温は15℃程度であったが,標高が上がった分気温が下がり12℃と初冬の気分。移動前の駐車場は青空だったが,工石山の周辺は太陽が雲に隠れており,肌寒さを増す。10月になっても気温が下がらず,暑いともいる日々を送っていたことを考えるとこの気温は結構きつい。
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ウスゲタマブキ |
観察を始めた入り口付近でまず目を引いたのは,ノコンギクだった。シロヨメナの花も結構多い。林道脇にはほぼ花が終わったタデ科植物があり,何なのかと話題となった。数名が葉をかじった結果,その辛みからヤナギタデということになった。少し湿り気の強いところには,ハガクレツリフネの群落もあったが,ピークを過ぎて,大半が種になっている。膨らんだ鞘に触れると,ぱっと種がはじけ飛ぶ。林縁の雑木には,タカネハンショウヅルが絡みついているが,こちらも花は終わってしまっており,独特の果実が実っていた。
少し進んで木陰のエリアに入るとアキチョウジの花も確認出来た。苔むした擁壁には,ヤマミズの姿も多く,数は多くはないが,ジンジソウの白い花も見ることができた。
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林道で観察 |
ヘアピンカーブを過ぎて,少し日当たりが良いヤクシソウやアケボノソウが咲いていた。アケボノソウはシカの食害の影響かどうかは不明だが,先端部分が欠落し葉腋の部分に花をつけており,また,一輪の大きさが1cm程度と一般的な個体より小さく感じられた。
その後もゆっくり歩きながら,観察を続け,11:40分頃,入り口から1km地点手前に到着。過去3回,この場所で昼食を摂ったが,今回も同じ場所だ。今回は寒さに耐えながらの昼食となった。
12時過ぎ,観察を再開。太陽は雲で隠れたままで風も強くて,とにかく寒い。轍を避けるように転々とアケボノソウが観察できた。シカの食害をまぬかれた株も数株あったが,手前で見た株ほどではないものの,花の大きさはやや小ぶりのものが多いように感じる。植物ではないが,林道の轍の間で,十数本のキノコを見つけた。詳しいメンバーによると,ハタケシメジだそうだ。林道を作る際に埋められた,樹木等を栄養にして発生するらしい。