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①林道入り口付近 |
幸い好天に恵まれ,9時30分,津野町新田にある津野町役場西庁舎に20名の参加者が集合した。担当の中平勝也さんから地図が配られ,目的地の松原までのルートや観察場所の自然環境の説明,さらには牧野富太郎が明治18年に梼原町方面にも採集旅行に来ていたとのお話も伺い,参加者の士気は高まった。そして中平さんの先導で12台の車と1台のバイクは出発した。松原までの道はほぼ対向車に会うこともなく順調に進み,10時30分頃,観察場所の芦川橋のたもとに到着した。そこの国道沿いの広いところに縦列で車を置き,足川川の渓谷の右岸の林道を上流に向かって観察していった。
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⑥ギンリョウソウ |
渓谷は山肌から清水が滴り落ちる環境で,イワタバコなどがたくさん生え,シダ植物も豊富で,道路面には今を盛りと咲くミズタビラコの涼しげな花がたくさん咲いていた。渓谷の奥の方では,一見ちょっと変わったギンリョウソウの花に出会い,一同大いに沸き立った。まさに植物たちの生気あふれる快適なコースであった。植物の種類も多く次々と現れる草木に目を奪われた。
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⑦橋で昼食 |
今話題のウツボグサの花もたくさん見ることもできたし,イナモリソウやヤマトウバナ,ヒメミヤマスミレなどの可憐な花や,今を盛りと咲くズイナやシラキの花も詳しく観察できた。そして中平さんからシラキの雌花を教えてもらったりして,今まで気づかなかったことも知り,牧野富太郎のように,植物はあらゆる部分を細部にわたってじっくり観察することが大事であり,一つの植物についてもすべてを知ることは容易ではないと痛感した。
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⑧イナモリソウ |
本日の観察エリアは梼原町の最も南部で標高も300mくらいのところだからだろうか,ホウロクイチゴが日当たりのよい林道に点々とあり,カンコノキ,トキワガキなどの比較的海岸に近くて暖かいところに多い樹木も見かけられた。渓谷の魅力は尽きず,まだまだ奥の方を見たいところであったが,遠隔地にきていることもあり,予定よりも手前の地点で引き返し,鴻上会長より6,7月の観察会の予定などのお話を聞いたのち,午後3時頃芦川橋のたもとで解散した。〔宇田英一〕