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The Botanical Society of Tosa

土佐植物研究会

<お問い合わせ先>
TEL:090-7622-1257

2023年4月23日(日)に第591回月例会(高知市土佐山工石山)が21名の参加で行われました。

①集合した参加者
①集合した参加者
 9時に土佐山夢産地交流パーク駐車場(旧寒蘭センター)に集合した。土佐山学舎の方から上がる道が通行止めだったため,数名が少し遅れて集まったものの概ね時間通りに駐車場から乗り合わせで工石山へ移動した。工石山の入り口でも数名が合流し,この日の参加者は21名となった。天気も良く,散策日和だった。

 車を降り,案内板の近くからツボスミレやアケビ,ニガイチゴ,ケクロモジ,カヤランなどが咲いており,参加者は一つ一つの花を楽しみながら歩いていた。この時点から先頭グループと後続グループができつつあり,結果的にこの日は何度か合流しながらもほとんど先頭グループと後続の2グループに分かれての観察会だった。登り口の近くではナベワリやミツバテンナンショウ,ツルカノコソウなどが咲いていた。
②シコクスミレ
②シコクスミレ
 ツクバネソウが咲いているのも確認できた。ほとんど花柄がないものをヨコグラツクバネとするが,工石山のツクバネソウは長短が非常に多様で面白かった。最初に見たものは

 花柄が長いツクバネソウだったが,少し進んで群生しているツクバネソウは花柄が普通のものと極短いものが隣り合っていた。また少し歩くと花柄が長くもう少しで下垂しているように見えるツクバネソウもあった。

 スミレも多く咲いており,タチツボスミレ,エイザンスミレやシコクスミレも綺麗に咲いていた。ナガバノスミレサイシンはすでに展葉して大きな葉を広げていた。
③群生するツクバネソウ
③群生するツクバネソウ
 11時40分頃に杖塚で先頭グループと合流し,昼食とした。ここでもヤマナシやアケビが立派に花を咲かせており,昼食をとった人から写真を撮っていた。

 昼食をとったあとは,時間がおしているので頂上に行って帰ってこられるかわからないため,先頭グループと14時には引き返すという確認をし,12時10分頃には頂上に向けて出発した。下の方では葉しか残っていなかったシハイスミレも綺麗に咲いており,ツルシキミ,マムシグサなども咲いていた。13時ごろにはスギの林床でツクバネソウが群生しているところを見つけ,これはもう1週間で満開になるだろうか…といった話をしながら歩いた。

 ミツバコンロンソウや,サイコクサバノオが咲いているのを発見すると撮影会が始まった。下向きに咲くサイコクサバノオをなんとか綺麗に撮ろうと各々がしゃがみこんで,膝をついてカメラをじっくり構えていた。まとまった人数が地面にしゃがみこんで真剣な表情で写真を撮る様子はいかにも植物の観察会らしかった。
④熱心に撮影する参加者たち
④熱心に撮影する参加者たち
 トド岩では,眺望を楽しんだ。近くには,咲き残ったアケボノツツジのきれいなピンク色が目立っていた。後続のグループはサイの河原の方へ回る時間はとてもなさそうだったため,北頂上を目指し来た道を引き返すことにした。少し早足で歩き,北頂上まで行ってみると,先ほどよりもしっかりと咲いているアケボノツツジが出迎えてくれた。この時点で14時を過ぎていたため,やはり南へ行くのはあきらめ戻ることとした。先頭グループも一部戻っていた人たちとすれ違ったが,健脚の数名はサイの河原方面へ向かったようだった。戻りにはじっくり植物は見ず,早足で杖塚まで戻った。

 植物を見ずに歩くと杖塚まではあっという間に到着し,14時30分にはほとんど全員が揃っていた。健脚グループも45分には合流完了し,全員で登山口へと向かった。15時過ぎには駐車場に到着し,土佐山夢産地交流パーク駐車場へと戻った。次回の確認をして,15時30分解散した。

 解散後に駐車場周辺を散策し,タツナミソウや大きく育ったガンピなどを観察した。〔大利拓海〕