2023年2月26日(日)に第589回月例会(高知市五台山ミニ八十八ヶ所(第一番~十七番,八十番~八十八番))が22名の参加で行われました。
①集合黒潮アリーナ |
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②一番札所 |
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ネットで検索すると八十八ヶ所の地図があるのだが,実際にはこの地図だけではとても行きつかない細かい道があり,この案内板がないとたどり着くのは難しい。
一番札所からの五台山の南斜面はほとんどマダケを主体とした竹林に覆われてしまい,植物的にはあまり面白くはない。林床にハランの群落があり,今頃が花時ということで根元を探ったが,まだつぼみであった。三番札所は物置横の津波避難路の矢印のある階段を登ったところにあり,そばにはエノキの大木が生えている。四番へ向かう途中の左手に東和地区の守り神である高峰神社があり,数本のカゴノキの木肌がよく目立つ。石積みの鹿(しし)囲いにのもとにはヤブランがよく生えている。四番札所は小さな神社の横にあり,そこから急な斜面を降りると海津見神社があり,その右手に五番札所がある。神社境内にはイチョウが植えられ,裏手には黒い独特な木肌のヤブニッケイの大木が見える。
③イヌノフグリ |
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そこから少し下り集落にさしかかって石垣にヒメイタビやキンモクセイが植栽されている石段を登る。墓所を左折して狭い道をたどると六番の案内標識。ちいさな祠の天神様の石段につきあたり,それを登ると六番札所,さらに天神様の隣に七番札所。竹林を下り途中マツバランが垂れ下がた斜面を経て,標識をたよりに少し登ると八番札所。その横に九番があり,そのまま下って元の道に戻り,側壁の上を通り,新田集落の上の墓所を通る。開けた場所にペットの墓があり,立派なネコ型の墓石とクロネコの彫像があった。
11時40分頃に鳴谷の谷に出た。谷には大きな砂防堰堤があり,下に集落がある。谷を覗くとオオイワヒトデがある。どう考えても自生とは考えにくく,上流にある牧野植物園から流れてきたものと思われる。十番は鳴谷集落の中の観音堂の後ろにあり,そこは飛ばして鳴谷に多い大野姓の守護神である大野大権現横に十一番。クスドイゲやカンザブロウノキが目立ち,ヤマモガシも見られ,シュンランに花芽が上がっている。
④星神社の石段で昼食 |
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30分後に石段を上がり,星神社を取り囲むように右側の側道に十二番,さらに神社の社殿に並んで十三番がある。星神社は五台山の総氏神で立派な社殿があり,急傾斜な石段は415段ある。石段を下りて第十四番札所,さらに下って第十五番からは鹿囲いの道を行くと開けた忠霊塔の広場に到着。その傍らにお茶園跡の恵比寿堂に第十六番札所。ここから先は坂本,三ツ石集落を経て竹林寺と牧野植物園周辺に十八番~六十三番,五台山の北斜面の長江に六十四~七十九番があるが,とても回りきれないので,ここから鳴谷集落に降りて,長江にショートカットすることにした。
鳴谷集落に降りたところで,広島まで帰る齋藤さんと別れ,さきほど飛ばした観音堂の後ろの第十番を経て,長江への道をたどった。鳴谷の観音堂の周辺にもイヌノフグリが石垣の上に咲いていた。このあたりの古い屋敷にはけっこうあるのかもしれない。鶏小屋の横を通り,畑を抜けると,左上頭上にはサギのコロニー。
五台山の北側斜面はスモモの産地であったが,多くのスモモ畑は,金属パイプのスモモ棚のまま荒れている。北斜面は農道にそっているので楽な道である。第八十番から八十四番までは道沿いに札所があり,途中植栽のサンシュユが満開だったり,ニッケイの葉柄を味わったり,お墓に咲いていたシナマンサクやツバキやツゲの花を観賞しながらの散策であった。コンロンソウの葉はやはり牧野からの逸出か。第八十六番へ上がる手前のやや明るい林床にシハイスミレがまとまって咲いていた。第八十七番と八十八番は金毘羅神社を過ぎた弘法大師像のすぐ近くにあり,そこからは登山口へもどり,15時頃に黒潮アリーナで解散した。〔鴻上泰〕