佐渡の植物観察会の思い出
4月24日(初日)
5時50分に高知大学病院駐車場に集合して一路加賀市の塩屋海岸に向けて出発です。
生憎の雨でしたが滋賀や福井に入ると車窓からはヤマザクラやウワミズザクラ、ツツジなどが見られ、それらを眺めながら第一目的地の塩谷海岸へ向かいました。
加賀ICを降りて塩屋海岸近くの「おむすび 銀のめし」で昼食のおむすびを調達。
北陸は米どころ、プロの握るおにぎりは流石でとても美味しく頂きました。
塩屋海岸にはハマヒルガオ、ハマボウフウ、ハマダイコンなどの海浜植物が見られますが、私達の目的はスミレです。
小雨にはなっていましたが傘の骨が曲がるほどの強い風のなか、アナマスミレとイソスミレを探しました。
初めて見るアナマスミレやイソスミレは新鮮で、イソスミレはこんもりと密集した状態であちこちに自生していました。
海岸の砂丘という場所を選んで生育するこれらのスミレの根は太くて地中深くまで根を張り巡らしているのかもしれません。
ハマダイコンやハマハタザオも沢山自生していて、ハマダイコンは白いものから赤に近いものまで変異に富んでいてとても綺麗でした。
塩谷海岸を後にして休憩のため立ち寄った呉羽PAからは雄山、大汝山、富士ノ折立などの立山連峰や剱岳などの美しい雪山が眺められ、暫しの撮影タイムとなりました。
次に立ち寄った米山SAからは今回の旅の目的地である佐渡が遥か彼方に眺められ、18時頃コートホテル新潟に着きました。
ホテル近くのお寿司屋さんで寿司会席の夕食をとり空腹を満たし、明日早朝からの佐渡での観察会に備えて21時過ぎに寝ました。
4月25日(2日目)
今日は昨日の雨が嘘のような上天気。
ホテルを5:20に出発して6時発のフェリーに乗って佐渡へ向かいました。
2時間半の船旅の途中、イルカの群れに遭遇。
ジャンプをした瞬間シャッターを押しましたがあまりの動きの速さに撮影はことごとく失敗。
やがて雪を頂いた佐渡の山並みが見えてきました。
佐渡へ着くと登山道沿いのキクザキイチゲやセンダイヤザクラのような紅色をした美しいヤマザクラ、美味しそうなクサソテツなどを見ながらドンデン山へと向かいました。
天気にも恵まれドンデン山からは雪を頂いた金北山や眼下には両津湾や加茂湖が見渡せます。
普段は車で行ける所も残雪が多くて車では行けないので登山道沿いの所々で車を止めての観察となりました。
佐渡のカタクリはこちらのカタクリと違って葉にウズラ模様のない薄緑色の葉をしていてこの花の美しさを一層引き立たせます。
白花や斑入りのカタクリを探しましたが見つけることはできませんでした。
ドンデン山荘下の広場で昼食をとり、所々で車を停めて植物の観察をしながら下山、杉池県民休養地「杉池の里・まなびの森」へと向かいました。
オオミスミソウも白、ピンク、紫、赤と変異に富んでいて、20代の頃九州へエビネを見に行った時の感動が再びよみがえってきます。
エゾエンゴサクのブルーにも魅かれました。
杉池の里・まなびの森は大変綺麗に整備されていて、ユキツバキの大群落やひょうたん池に映る木々や鯉、フクジュソウやミズバショウの撮影に時間も忘れて夢中になりました。
後ろ髪をひかれる思いで杉池を後にして17:30に湖畔の宿吉田屋に着きました。
夕食にはカニが丸ごとでて身を穿り出すのに苦労しましたが屋上の露天風呂で疲れを癒して21時からの佐渡民謡の踊りも楽しみました。
4月26日(3日目)
旅館の窓から加茂湖を見ると雨のち曇りの予報通り生憎の雨。
小雨になるのを待つためトキの森公園へ出かけました。
トキ資料展示館ではトキの保護増殖に関するパネル、映像、はく製、骨格標本などが展示されていました。
また、観察回廊やトキふれあいプラザのケージからは止まり木にとまって休息しているトキや飛翔している美しいトキに暫し見とれていました。
暫らくすると小雨になってきたので所々で車を停めての観察会になりました。
今日の観察会でもオオイワカガミ、シュンラン、ニシキゴロモ、トキワイカリソウ?などの美しい植物を見ることが出来ました。
観察会の途中で北雪の蔵元を見つけたので立ち寄りました。
北雪の美味さは昨晩の旅館で十分堪能していたので色々のお酒を試飲してから購入しました。
また、梅酒を作った後の梅もカリカリして美味しいのでみんな大量に購入しました。
旅館へ帰る途中、幸運にも放鳥されたトキを発見。トキを驚かさないように車の中からそっと観察しました。
4月27日(4日目)
天気も回復してきたようなのでドンデン山のアオネバ渓谷へシラネアオイを見に出かけました。
アオネバ渓谷を少し登ったところで早くもシラネアオイに巡り合うことが出来ました。
自生のシラネアオイを見るのは初めてなのでたくさん写真を撮りました。
また、登るときには完全に咲いてなかったヤマトグサも下山してくると綺麗に開花して簪が揺れていました。
お目当てのシラネアオイを見たので12:40のフェリーで新潟に向かい、新潟に着くと新潟に自生している植物の殆どはこの山で見ることが出来るという角田山へ向かいました。
角田山ではラショウモカズラ、ウラシマソウ、ヒカゲスミレ、チゴユリ、ナガハシスミレなどを見ることが出来ました。
辺りが暗くなり始めた頃マキノスミレを見つけましたがコシノコバイモはとうとう見つけることが出来ないまま新潟での観察会は終了しました。
4月28日(最終日)
ホテルサンルート新潟を早朝に出発して広大な越後平野や雪を頂いた山々を眺めながら帰途につきました。
天気が良いので再び塩屋海岸へ寄ってハマハタザオ、イソスミレ、アナマスミレ、ハマダイコンなどを見てから塩屋海岸を後にして
米原ICを出てハリヨの生息地、醒ヶ井へ向かいました。
ハリヨの生息地は清らかな水が湧き出ていて地蔵川となって流れていました。
清らかな水に揺られてバイカモも沢山花を付けていて、バイカモを写した後はハリヨを探しました。
初めの頃は何処にハリヨが居るのか解りませんでしたがやっとのことでハリヨを探すことが出来ました。
醒ヶ井渓谷ではヨウラクツツジやオサシダなどを見た後今回の観察会の日程はすべて終了し、渋滞にも巻き込まれず19時頃高知大学病院駐車場に無事帰ってきました。
山岡 重隆