環境省指定の特定外来生物に指定されているアゾラ・クリスタータ（アメリカオオアカウキクサ）は，これまで四国では高知県のみが未分布でした．このたび高知県南国市小篭（こごめ）小篭側道橋の東側湿地の池（沼）および高知県香南市野市町（のいちちょう）深渕の衛生組合の親水池に生えていることがわかりました．南国市小篭のものは猪野律氏が2008年2月28日撮影した写真がありますので，少なくても3年前には分布していたことになります．香南市深渕のものは衛生組合の事務所の話では４～５年位前から生えていた，ミズヒマワリは指摘されていたがアゾラ・クリスタータのことは知らなかったとのことでした．ここの親水池にはもう１つの特定外来生物のミズヒマワリも生えていました．このミズヒマワリは，現在は上の部分が寒さで枯れて，この植物はなんだろうかと思わせる状態です．結局，特定外来生物が2種類も同じ池に生えていました．
野市町深渕の親水池では，まずミズヒマワリが2009年7月および10月に坂本彰氏他2名によって確認され，標本も採集されています．写真撮影もされています．ここも少なくても約3年前にはミズヒマワリが生えていたことになります．アゾラ・クリスタータについては，2009年10月にミズヒマワリ調査の際に確認され，写真撮影もされてますが分類もむづかしいので，このときは特に特定外来生物として注目されなかったようです．
また高知市高須の浄水場の南の水路（水たまり）でも，2009年4月27日に確認されています．しかし現時点では見られません．駆除されたでしょうか？
香南市衛生組合事務所は，親水池のミズヒマワリ，アゾラ･クリスタータについては善処するとのことです．南国市環境課はアゾラ・クリスタータの処理について，環境省の助言も得て，周囲の状況から判断して当面は静観するとのことです． なお，高知県西部地方にもアゾラ類の繁殖地があるようです．（山岡和興）
