午前7時30分に須崎道の駅かわうその里,8時30分ビオス大方,最終の集合場所は土佐清水市三崎道の駅めじかの里で10時ということで,三崎の実家に帰っていた私はここで合流すべく,30分も早く来たのに,すでに榎さんが到着していた.ほぼ定刻に全員集合.今月は遠方のため?か参加者はいつもより少なく,顔ぶれも男性が多いのはなかなか珍しい.
今の山への途中で田んぼ周辺の植物を観察する.ヒガンバナも咲き始めており,ノアズキの黄色の花が目立つ.1時間ほど観察したあと「お藤がとどろ」(写真,上.撮影:山岡(重))に向かった.この林道は2車線のあまりにも広い道路になっていたため,お藤への入り口が分からず,当日の朝に地元の方に案内していただいていた.また,お藤への急な歩道も心配されたが,「とどろ」まではロープがしっかり取り付けられていて安心して歩くことができた.シダを中心に観察したが,ここもニホンジカの食害が広がっていて下草がほとんど消滅していた.暗い林内なのにブトや蚊の虫もおらず,さわやかな風が心地よかった.岩上では淵を見下ろすようにイワタバコの花が咲いていた.時々ぽつぽつと雨のつぶが落ちてくる中で昼食をとり,午後は今の山へ.
ゲートから車道を歩き、今の山の入り口の看板のところから登山道を歩く.やはりシカの食害がひどく,林床にはほとんど植物が観られない状態であった.防護ネットで囲われているヒメムカゴシダの生育地だけがグリーンに見えるが,それでも,個体,群落ともにとても貧弱であった.環境省のレッド対象種であるニシノヤマタイミンガサの群落も所々に見られはしたが,いずれも勢力がなく,シカの影響が大きいと思われる.帰りは車道を通らず,対岸の歩道を歩く.高校時代にわくわくしながらシダを観察した昔の面影はなく,すっかり荒れてしまった故郷の山の姿にはとても哀しいものがあった.午後3時前に駐車場所にもどり,解散となった.私以外の方は三原に抜けて,「ヒメノボタンまつり」に歓声をあげていたようである.今の山は「遠い」イメージだったが,今は三原村側からはもちろんのこと,益野側からも案外時間がかからず,高知市から3時間で行ける範囲となっている.みなさん,お疲れ様でした.ご協力ありがとうございました.(細川公子)