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The Botanical Society of Tosa

土佐植物研究会

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2012年4月8日(日)第459回月例会(香南市夜須町仁井田神社,安芸郡芸西村目高森)が開催されました.

 少しひんやりする中,香我美駅に集合し,8時すぎに8台の車に分乗して出発.芽吹き始めた緑の中にヤマザクラが咲き,田には水がはられ,畑には菜の花が咲き揃う.手結の交差点から羽尾を目指して夜須川をさかのぼる.羽尾の大釜荘に9時に到着し,仁井田神社の観察を行う.道沿いにヒメウズやオオイヌノフグリ,ヤマネコノメなどが満開で,ムラサキケマンやホトケノザが咲き始めていた.参道のヒメスミレやシハイスミレやジロボウエンゴサクの盛りは過ぎている.参道の石段脇にサンショウソウやキジノオシダなどに混じってテイショウソウが点在し,本堂の後ろや,境内林内にもかなりの個体数が確認できた.ショウジョウバカマ(写真,鴻上)は蕾を抱いている.東部はシロバナショウジョウバカマの多い地域であるが,この境内にショウジョウバカマが生育しているのは不思議な気がする.境内林はほとんどアラカシ,ツブラジイをまじえたスギ・ヒノキの植林で,林内にはサカキ,ナンテン,ガクウツギ,アセビ,ヒサカキ,フジツツジ,ソヨゴなどが生育し,林床にはナンカイアオイの花,ツルアリドオシ,ツルリンドウ,キッコウハグマなどが生える.40分ほど観察して大釜荘に戻り,県道安芸物部線を長谷寺の下を通って,林道仲木屋線に入る.長谷寺では本日花祭りが行われることになっており,大勢の人が参列するので立ち寄ることは遠慮した.
植物名:テイショウソウ 撮影者:鴻上 泰
植物名:テイショウソウ 撮影者:鴻上 泰
植物名:ヒトツボクロ 撮影者:佐々木康子
植物名:ヒトツボクロ 撮影者:佐々木康子

 10時45分頃峠の目高森登山口に到着.林道から尾根の登山道へ入り,ヒノキの植林地を行く.もともとはアカガシの林であったと思われ,大小のアカガシが点在し,ウラジロガシ,アラカシ,カゴノキ,イヌシデ,コナラも混生する.尾根道なので乾燥しており,アカマツの林もよく残っている.林の中にはモチツツジ,ソヨゴ,イヌツゲ,まだ葉のないカンサイスノキやリョウブが多く,コバノミツバツツジ,フジツツジ,それにウンゼンツツジも多い.ツツジ類の花は連休前後が良さそうである.林床にはコウヤボウキ,ツルリンドウ,ツルシキミのつぼみ,キッコウハグマ,ミヤマウズラ,ツルアリドオシなどが目立つ.ヒメクロモジの花が逆光に輝いており目を引く.いくつかの登り降りを繰り返しながら,1時間30分ほどで目高森の山頂に到着.754.8mの1等三角点の山だが,展望は利かない.ちょうど昼になったので,三々五々昼食とする.昼食後,目高森の名前の由来である,天狗が棲んでいたというアカガシの大木(写真左,隅田)を見て,同じ道を引き返す.13時40分ころ全員が戻ってきたので,長者ヶ森のアンテナまで車で行き,奥物部山塊の展望を楽しむ.少々霞んでいたが,まだ雪を戴く三嶺を望むことができた.足元の草地にはミニチュアのようなセンボンヤリ(写真右,佐々木)の花も咲いていた.穏やかな春の陽を浴びて緩やかな尾根歩きの一日であった.(文::鴻上泰,写真:山岡重隆)

植物名:ミツマタ 撮影者:佐々木康子
植物名:ミツマタ 撮影者:佐々木康子
植物名:ヒメクロモジ 撮影者:佐々木康子
植物名:ヒメクロモジ 撮影者:佐々木康子
植物名:アオキ 撮影者:佐々木康子
植物名:アオキ 撮影者:佐々木康子
場 所:目高森頂上(一等三角点) 撮影者:佐々木英男
場 所:目高森頂上(一等三角点) 撮影者:佐々木英男