2013年2月10日(日)第469回月例会(香南市夜須町国光,細川竈戸神社,香我美町金毘羅神社)が開催されました.
次に,最初4台の車を置いた所から,谷沿いの林道を歩いて1時間半ほど観察した.この谷には生育の良い多くの種類のシダが繁茂していたし,果実をつけたナギランやつぼみをつけたタイミンタチバナなどが観察できた.シタキソウもたくさん見かけた.コゴメスゲとナキリスゲの違いを小林先生に教えて頂いたり,勉強になった.林道の奥の方の日当たりの良いところで全員和気藹々とお弁当を食べたが,本当にこの日はこの素晴らしい天気が何よりも嬉しかった.
昼食後は,夜須町細川という部落の方へ車を走らせ,そこの竈戸神社の境内や周囲の林を観察した.この神社はなかなか風情のある立派な作りの神社で,鳥居のそばには紅白の梅の古木が清楚な花をつけ香りを漂わせていた.境内に胸高直径1m,高さ20mはあろうというムクノキの巨木が苔むして聳えていて,その幹にはキバナノセッコクやムギラン,さらにはフウランらしきものまで着生しているらしいことがはるか下の地面から眺められ,全員が興奮して興味津々,自説を唱えて楽しめた.はるか頭上の貴重な植物たちにとっては思いもよらない突然の賑やかな客さん達だったことだろう.
最後の観察地は,旧香我美町徳王子北にある陸上自衛隊の駐屯地の西にある琴平山であった.此処はシイの木が多い乾燥気味の林であったが,林床には成長の良いシュンランの大株が点々とあり,すでに小さな固いつぼみを付けていたし,スミレの仲間も数種咲いていた.更にムヨウランsp.の亡骸もあった.山上のお社(金比羅さん)には,堂々とした巨大な灯籠が対で聳え,その存在感に目を見張らされた.下山し,自衛隊前の道路で3時頃散会し帰途についた.
2月という寒い時期での観察会であったが,思わぬものも発見できたり,また春に向かって少しずつでも着実に進行している植物たちの成長に感心させられた一日であった. (宇田英一)