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The Botanical Society of Tosa

土佐植物研究会

<お問い合わせ先>
TEL:090-7622-1257

2013年2月10日(日)第469回月例会(香南市夜須町国光,細川竈戸神社,香我美町金毘羅神社)が開催されました.

 連日の寒波も少し和らぎ,快晴・無風の素晴らしい好天に恵まれ,9時30分,土佐黒潮鉄道「香我美駅」に25名の参加者が集まった.そこから,7台の車に分乗して,国道55号線の夜須の信号を北に折れ,開通間近の高速道の下をくぐり,夜須町国光の奥を目指した.日当たりの良い国光の集落を通り抜け,道路が大きく西に曲がったところで谷に入る支道の入り口に4台の車を置き,そこから更に本道を少し進んだところが,最初に目指す国光山白瀧の「八大竜王・不動明王」へ向かう急坂の入り口である.そこに残り3台の車を置き,全員がお社をめざして,非常にきつい急坂の車道を歩いていった.私にはこんなきつい急坂を車が通るのが想像もできないほどの急坂であった.坂道の両側にはたくさんのフキノトウが出ていた.お社は険しい谷のほとりにへばりつくように建てられていて,その上方には小さな滝が流れていた.ムクノキの大木があり,コスミレなどが咲いていた.滝の下の流れには誰が植えたかワサビ(撮影:山岡(重))がおいしそうに元気に生育していた.崖にはハハコグサも可憐に咲いていた.
  次に,最初4台の車を置いた所から,谷沿いの林道を歩いて1時間半ほど観察した.この谷には生育の良い多くの種類のシダが繁茂していたし,果実をつけたナギランやつぼみをつけたタイミンタチバナなどが観察できた.シタキソウもたくさん見かけた.コゴメスゲとナキリスゲの違いを小林先生に教えて頂いたり,勉強になった.林道の奥の方の日当たりの良いところで全員和気藹々とお弁当を食べたが,本当にこの日はこの素晴らしい天気が何よりも嬉しかった.
 昼食後は,夜須町細川という部落の方へ車を走らせ,そこの竈戸神社の境内や周囲の林を観察した.この神社はなかなか風情のある立派な作りの神社で,鳥居のそばには紅白の梅の古木が清楚な花をつけ香りを漂わせていた.境内に胸高直径1m,高さ20mはあろうというムクノキの巨木が苔むして聳えていて,その幹にはキバナノセッコクやムギラン,さらにはフウランらしきものまで着生しているらしいことがはるか下の地面から眺められ,全員が興奮して興味津々,自説を唱えて楽しめた.はるか頭上の貴重な植物たちにとっては思いもよらない突然の賑やかな客さん達だったことだろう.
最後の観察地は,旧香我美町徳王子北にある陸上自衛隊の駐屯地の西にある琴平山であった.此処はシイの木が多い乾燥気味の林であったが,林床には成長の良いシュンランの大株が点々とあり,すでに小さな固いつぼみを付けていたし,スミレの仲間も数種咲いていた.更にムヨウランsp.の亡骸もあった.山上のお社(金比羅さん)には,堂々とした巨大な灯籠が対で聳え,その存在感に目を見張らされた.下山し,自衛隊前の道路で3時頃散会し帰途についた.
2月という寒い時期での観察会であったが,思わぬものも発見できたり,また春に向かって少しずつでも着実に進行している植物たちの成長に感心させられた一日であった.      (宇田英一)
植物名:ナギラン 撮影者:佐々木英男
植物名:ナギラン 撮影者:佐々木英男
植物名:コスミレ 撮影者:佐々木英男
植物名:コスミレ 撮影者:佐々木英男
植物名:エビネ 撮影者:山岡重明
植物名:エビネ 撮影者:山岡重明
植物名:ツクシノキシノブ 撮影者:山岡重明
植物名:ツクシノキシノブ 撮影者:山岡重明
植物名:タンキリマメ 撮影者:山岡重明
植物名:タンキリマメ 撮影者:山岡重明
植物名:ムギラン 撮影者:山岡重明
植物名:ムギラン 撮影者:山岡重明
植物名:キュウリグサ 撮影者:山岡重明
植物名:キュウリグサ 撮影者:山岡重明
植物名:キランソウ 撮影者:山岡重明
植物名:キランソウ 撮影者:山岡重明
左ハヤマシダ,右クルマシダ,撮影:山岡(和)
左ハヤマシダ,右クルマシダ,撮影:山岡(和)
ハヤマシダとイワヒトデ,撮影:山岡(和)
ハヤマシダとイワヒトデ,撮影:山岡(和)
シハイスミレ,撮影:山岡(重)
シハイスミレ,撮影:山岡(重)
ナガバタチツボスミレ,撮影:山岡(重)
ナガバタチツボスミレ,撮影:山岡(重)
夜須町国光山不動明王,撮影:佐々木
夜須町国光山不動明王,撮影:佐々木
竈戸神社ー1,撮影:山岡(重)
竈戸神社ー1,撮影:山岡(重)
竈戸神社ー2,撮影:佐々木
竈戸神社ー2,撮影:佐々木
いざ! 出発(香我美駅前)撮影:佐々木
いざ! 出発(香我美駅前)撮影:佐々木