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The Botanical Society of Tosa

土佐植物研究会

<お問い合わせ先>
TEL:090-7622-1257

2014年10月12日(日)に第489回月例会(土佐山田町逆川・野市町東佐古)が行われました.

 集合時刻の9時には龍河洞の駐車場に総勢19名の姿があった.今回は秋の里山の植物観察をテーマに散策を開始.台風19号の接近が心配されるが,今のところ雨の降る気配はない.日程説明の後,まずは県道香北野市線を歩き,外側から逆川集落の奥を目指した.
 道沿いの植え込みに植栽されたサツキの間にはヤクシソウの黄色い花が咲いている.ススキの株元にナンバンギセルの薄紫の花も観察できた.稲刈りが済んで間もないと思われる水田には,コナギの花が見え隠れしている.一見すると単調な舗装道路と思われたが,意外と目を引く植物が多い.県道の下側斜面では,満開のシリブカガシが数本あった.落下前の青いドングリと花が咲いている姿を見ると,1年以上かけて成熟する果実に愛おしさを感じるのは自分だけだろうか.先行組が道路脇の林縁にアカバナの群落を発見.すぐそばにキチジョウソウの花と果実も見つけることが出来た.早速,写真組がベストポジションを求めて行列.観察組も加わって,ちょっとした人だかりが出来た.先に進めば,ゴンズイの赤い果実の色が目を楽しませる.道脇の大きなキリも根元が斜面の下方であれば,枝先は目の前.たくさんの蕾に手が届く.来年の5月には素晴らしい花を咲かせることだろう.
 思いのほか楽しい1km程の距離を1時間かけて歩いたところから,集落の中を通って駐車場方向へ引き返す.稲刈りの終わった棚田の畦はきれいに草刈りをされていたが,刈り残された草地にはヒキオコシやヒヨドリバナの仲間が満開であった.
シリブカガシ(花)
シリブカガシ(花)
 日当たりのよい斜面の草地には,ススキに交じってツリガネニンジンやコウゾリナ,ワレモコウが咲いている.コバナノワレモコウの花も確認できた.路傍にはキンゴジカなどの在来植物に交じって帰化植物のカッコウアザミやホシアサガオも咲いていた.植物誌の調査で過去に何度か足を運んだことがある場所だが,以前に比べて,耕作放棄地が増えた感があった.ショウガ畑もなくなっており,荒れ放題.それでもイネを栽培している田んぼの周辺はきれいに草刈りされており,地元の農家の苦労には頭が下がる.が,われわれにとっては,少々残念かもしれない.植物誌調査で確認したリンドウやオミナエシの姿は見当たらなかった.11時50分,駐車場に到着.昼食とした.
 昼食後,車で場所を移動.香南市野市町東佐古へ.大げさに書いたが,駐車場からは2kmの距離ですぐ近所である.鴻上会長と宇田氏は近づく台風の準備ということで一足先に退散.残った17名で観察をすることとした.このエリアの田んぼの畦には,ヤクシソウやコバナノワレモコウ,オオユウガギクなどの秋の草花がたくさん咲いているはずであったが,下見をしていなかったのがいけなかった(ごめんなさい).きれいに草刈りされており,花の姿は少ない.田んぼわきの水路にはミゾソバが満開であったのはせめてもの救いか.小さな畑でサツマイモの花が咲いていたのが印象的であった.それでもしばらく散策したが,14時,本日の例会を終了し解散とした.(文・写真 福原宏)
キチジョウソウ(花)
キチジョウソウ(花)
キチジョウソウ(果実)
キチジョウソウ(果実)
キリ(蕾)
キリ(蕾)
シュウメイギク(花)
シュウメイギク(花)
ミゾソバ(花)
ミゾソバ(花)
サツマイモ(花)
サツマイモ(花)