2015年4月12日(日)に第495回月例会(安芸郡芸西村九重赤野川林道・丸塚池)が行われました.
本日担当の鴻上会長から観察場所の説明があった後,11台の車で出発した.国道55号線を東に走り,安芸市赤野の桜浜から大元神社の下を通り,赤野川の右岸に沿った道を上流に向かって進んだ.舗装道路が切れたあたりで車を置き,道路を上流に向かって歩きながら観察していった.赤野川の渓谷は非常に鋭く切れたったV字谷で,道もかなり荒れていた.道のすぐ上には,急峻な斜面の林の中に延々と用水路が作られていて,赤野川の豊かな水が芸西まで送られている.この用水路は全長12㎞もあり昭和10年に完成しているそうだ.こんな険しい山の斜面に水路を作った工事がいかに大変であったか,先人の苦労が偲ばれた.渓谷沿いの道の崖にはイワカンスゲやイワヒバの群落がみられ,美しい光景を作っていた.アラカシやカギカズラの多い林であったが,花をつけたタイミンタチバナやクスドイゲ,ミサオノキ,ヤマモガシなども見かけた.そして花をつけたアオモジの木も発見した.アオモジは高知県のこんなに東部では初めて見かける木であった.オンツツジ,モチツツジ,フジツツジなどの美しい花が所々で見かけられた.ナンカイアオイの花も咲いていた.約2時間ほどの観察を終え,車のところに引き返し,昼食をとった.
午後は場所を変え,芸西村のマルツカ池の周囲を観察した.芸西村馬ノ上から,池に続く川の左岸に沿った道を,池を目指して車は進んだが,道は舗装されてはいたものの,かなり狭く,しかも急カーブはいたるところにあり,路面も石などが転がり,相当危ない道で,運転はかなりの緊張を強いられた.が,なんとか無事にすべての車が池に到着できた.池はかなり大きく立派なものであった.堰堤部分にはオカスミレがたくさん咲き乱れていた.観察は池の周囲の道を回りながらであったが,道は途中で切れており,池を一周することはできなかった.それでも行けるところまでは行き,見事な満開のフジツツジやオンツツジを楽しめた.大きなタマミズキも見かけたしイワヒトデの群落もあった.3時頃まで観察し,琴ケ浜の駐車場に帰り,散会した.穏やかな天候のもと,ツツジや新緑を満喫できた月例会となった. 〔文:宇田英一 写真:鴻上泰〕