2016年5月8日(日)に第508回月例会(いの町本川越裏門八風呂林道・長沢林道)が行われました。
全員が揃ってから観察をスタートし、歩いて間もなく、ハンショウヅルのところで立ち止まり、これは何ハンショウヅルか談義をしている。まだ蕾がついているだけで、花は咲いていなかったが、ほう葉が小さかったことから、イヨハンショウヅルと思われた。春先に咲く植物の花は終わっていたが、テンナンショウ類はちょうどよく、付属体がやや太くなっているユキモチソウとアオテンナンショウの雑種らしき株がいくつか観られた。八風呂林道と長沢山林道を分ける谷には、ヤマグルマとミズキの花が満開だった。花を下から観ることばかりで、なかなか上から花を眺めることはない2種だが、橋の真下にあったので写真も撮ることが出来た。八風呂林道は途中通行止めになっており、入り口にはチェーンがかかっていた。今回は長沢山林道のほうへと進んでいく。花は少なかったが、それぞれが気になる植物の所で足を止め、追い越し追い越されながら先へと進む。後ろを振り返ると、スタート地点からさほど距離はないが、すでに先を行くグループと植物一つ一つを虱潰しに見ていくグループとすでに2グループに大きく分かれていた。しばらく歩いていると、数人が木の梢に蛇がとぐろを巻いてくつろいでいる姿を眺めていた。お腹が膨らんでいたので、食事後に一息ついているのだろうか。
12時を過ぎ、私たちもお腹の虫がないたので、林道を陣取って先に着いた者から昼食をとった。ここは標高が900mぐらいあるが、日向は暑い。木蔭を見つけてそこで食べる人たちもいた。五月晴れの空に、白い綿毛に包まれたヤナギの種がふわふわと風にのって飛んでいく様子眺めながらお弁当を食べる、贅沢なひとときを味わった。食べ終わり、しばらくくつろいでいると、やっと後方グループが追いついて来た。しかし食事が終わるまで待っていては時間が勿体ないので、先に先発グループは観察をスタートした。他のスミレ類は花が終わっていたが、花期の遅いヒメミヤマスミレが林道の法面に可愛らしく咲いていた。さらに進むと谷にオウギカズラやコミヤマスミレが出てきて、この先面白くなりそうだというところで、時間切れとなり戻ることとなった。帰りは同じ道を戻ったが、高家さん達が、ヒメウツギが何株かあるうち、葉が濃緑色で厚みがあり、光沢がある個体が1株だけあるのを見つけていて、教えてくれた。この個体は花柄や萼が紅紫色で、そのこともヒメウツギの典型的なものから外れている。戻りはやや足早に歩き、3時過ぎに車を停めた所に戻り、ガソリン代の精算をして閉会となった。今回の例会では、見るべきものは少なかったが、300種近くの植物を観察することができ、季節を変えて行ってみたい所であった。(文:田邉 写真:鴻上)