2016年5月27日(金)~28日(土)に第30回特別例会(和歌山県紀の川市龍門山,田辺市百間渓谷周辺)が行われました。新規 ~
竜門山へ |
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5月27日、県立美術館を6時前に出発して途中上板SAで徳島の会員さんを乗せたマイクロバスは竜門山へ向かいました。和歌山のコメリパワーで泉井先生と合流して竜門山登山口へ着くまでの間、資料に基づき和歌山県固有植物で竜門山の山頂付近に自生するキイシモツケの蛇紋岩土壌への適応と分子系統学によるイワシモツケおよびトサシモツケとの比較について教えていただきました。竜門山は紀州富士といわれるだけあって急な坂道を登っていくと林床にはヒメカンアオイやササユリ、ツルアリドオシの薄桃色の花もありました。ここでの目的はなんといってもキイシモツケとカキノハグサ。カキノハグサは木質の根茎を地上部に出して盆栽風に仕立てているのは見たことがあるが自生のカキノハグサを見るのは初めてで、その美しさに何枚も写真を撮りました。パラグライダーのテイクオフのある紀ノ川が見渡せる広場で昼食後山頂を目指し、山頂ではキイシモツケに囲まれて集合写真を写した後下山しました。
白浜の旅館しららでは夕食後和歌山県立自然博物館の内藤麻子さんから画像などを使って和歌山県の植生などについて説明していただきました。
28日は滝と淵が美しい田辺市の百間山渓谷へ出かけました。植物観察をしながら「難渋の壺」まで行って、ここで昼食を済ませて折り返しました。ツツジ科の植物で岩から垂れ下がるように白いつぼ状の花をつけるイワナンテンの群落を見ることができました。ここではナツエビネ、ベニシュスラン、トンボソウ、クモキリソウ、ヒトツボクロなどのラン科の植物やキイジョウロウホトトギス、タキミシダなどの貴重なシダもありました。タキミシダは人目につきやすいところにあったので盗掘を防ぐために杉の枯れ枝で隠してきました。
今回の特別例会ではこちらでは見ることの出来ないような沢山の植物を観察でき、2日間で290枚もの写真を撮って帰ってきました。(山岡重隆)