東に向かう時の定番の集合場所として安芸球場駅前としたが,当日は阪神タイガースのキャンプの日で,駐車場は朝早くにも関わらずどんどん車で埋まっていった。そのため,8時半まで待ってから海側の駐車場に移動し,車を乗り合わせて室戸に出発した。途中田野駅屋に寄り,室戸の集合場所である室戸ジオパークセンターの駐車場に10時ごろ到着した。そこで室戸ジオパークの推進協議会の古澤さんとガイドの方々計4名に合流して頂いた。当初観察地点は三津から高岡にかけての水田にしようと考えていたが,水田が連続していないため国道を出たり入ったりする必要があり,大人数では危険であると思い直し,佐喜浜町尾崎の集落で行うことにした。尾崎での観察にあたって地元の方との調整はジオパークの古澤さんに行ってもらった。ジオパークセンターの駐車場から,尾崎の海側にある駐車スペースに移動したが,サーファーの車でほぼ満車の状態だった。何とか全員の車を停めることができ,歩いて常会長さんのお宅へ向かった。常会長さんは徳増さんという方で,国道沿いの徳増旅館のご親戚ということだった。常会長さんの案内で集落の奥に進んでいき,道路沿いの植物を観察していった。道路沿いの水田にはミズネコノオやスズメハコベといった希少種が生育していた。山が見渡せる谷の分岐点で,常会長さんがまだ車がないころ使われていた道などについて説明してくださった。そのあと最奥の人家の村田さんという80代後半のおばあさんを紹介して頂いた。村田さんは一人でほぼ自給自足の生活をしており,草刈り機も使いこなして山や畑も管理しているとのことだった。きれいに手入れされた畑や庭を見せて頂き,なかでもご自慢のハナショウブ畑には花期の6月頃にまた見に訪れたいと思った。村田さん宅の周辺の水田を観察し,水田横の道で並んでお昼をとった。そのあと,谷を奥の方に進んだが水田が途切れたため,尾崎での観察を打ち切り,最御崎寺でヤッコソウを観察することにした。車に戻る途中,集落の中の水路にタコノアシが20株ほど生えていた。
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水田横の道に並んで昼食 |
最御崎寺に行く前にジオパークセンターに立ち寄り,トイレ休憩を取ったり,ジオパークの資料をもらったりした。最御崎寺ではヤッコソウが見頃で,30分ほど観察の時間をとり,その後メインイベントのある羽根に向かった。羽根の海岸では最近地元在住の松本忠博氏が発見したスナヅルを皆で観察した。鹿児島県までといわれていたスナヅルの分布が四国高知県で確認されたことで,東限と北限が大幅に変更されることになる。鹿児島から室戸までどうやって移動したかは分からないが,ハマアズキやスナジマメといった例もある。残念ながらこの2種は現存が確認できないが,スナヅルは多くの目で大切に見守っていければと思う。室戸ジオパークの皆さんもその他の場所を探してみると仰ってくれた。最後にジオパークの皆さんに御礼をいって現地で一部解散した。
会長,副会長は木原浩さんのご案内で不在だったこともあり,最初の集合や車の集金に手間取って,いろいろ手際が悪くてすみませんでした。〔文:前田綾子〕