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The Botanical Society of Tosa

土佐植物研究会

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2017年6月11日(日)に第521回月例会(いの町本川越裏門長沢林道・八風呂林道)が行われました.

 9時に仁淀川橋西詰の河口に集合.出発時には小雨が降っていた.国道194号線を仁淀川の上流へ向かって辿る.川岸にはアワモリショウマが満開の様子.道沿いにはウツギの白い花が目立つ.途中道の駅633美でトイレ休憩後,10時30分頃いの町長沢総合支所前で愛媛からの兵頭さんと合流.その後長沢ダム湖畔を走る県道石鎚公園線を辿り,篠辺の赤鉄橋から吉野川支流の竹ノ川旧道へ入る.ここで香川からの高家氏らと合流.本日はシダ組が4人揃い最強である.昨年は林道入口に駐車して歩いたが,今回はさらに長沢林道を奥へ進む.林道は悪路が予想されたので,乗用車は置いて4駆に乗り換える.
 11時前に竹ノ川林道との分岐のゲートに到着.鍵をあけて竹ノ川林道を15分ほど走った広場に駐車し,観察を始めた.この頃から薄日がさして天候も回復の兆しがみえた.標高は1100㍍ほどあるので,さすがに空気は冷たい.シカの捕獲檻が設置してあり,ここまでシカが侵入しているのかと心配になった.林道周辺は植林されてはいるが,谷筋などには自然林も残されている.一度伐採されているようで,フサザクラ,ミズメが多く,カナクギノキ,クマシデ,ケクロモジ,シラキ,ミズナラ,ミズキ,ヤブウツギなどが目につき,林床にはスズタケが繁茂していた.花は少ない時期で,ヤマヤナギの果実がとび,ヤブウツギは花が終わり,ヤマツツジはまだつぼみ,ガクウツギ,コガクウツギやマルバウツギの白い花が目立つ.林道のふちにはナガエコナスビ,オウギカズラ,ウワバミソウ,ミズタビラコやエナシヒゴクサなどの花が咲いていた.岩場のケイビランはつぼみ,サワダツ,ケサンカクヅル,タガネソウ,シコクショウマ,ギンレイカ,ヤマアジサイもつぼみであった.
 12時に林道ふちで昼食をとり,時折谷をのぞき込みながら更に奥へ進んだ.13時すぎにチドリノキやウリハダカエデ,カツラなどの落葉樹林林床に一面シコクスミレがひろがる林に入ると,フタバアオイやギンリョウソウ,ツクバネソウに花のほかオオヤマハコベやモミジガサ,シコクスミレに混ざってヒナスミレも見られた.13時45分に私たちはここで引き返したが,さらに奥へ行っていたグループの話では,奥にはヤマアジサイの群落や,クロイチゴなどもあったということであった.
 竹ノ川林道を後にして元へ戻り,14時40分頃八風呂橋を渡って八風呂林道へ入った.20分ほど奥へ入り,作業小屋のあたりに駐車して付近を散策した.人の背丈ほどもあるシコクテンナンショウが壁面を向いて咲いており,高橋裕子先生と一緒に記念撮影.ここでは標高が低いので,ヤマツツジには花が咲いていたほか,マルバウツギ,ガクウツギ,エナシヒゴクサ,テキリスゲ,アブラシバ,サワギクなどに花が見られた.1時間弱観察をして15時過ぎに八風呂橋へ戻り解散した.八風呂橋の下にはヤマグルマがあり,花を橋の上から観察することができた.〔鴻上泰〕
ケイビラン
ケイビラン
オウギカズラ
オウギカズラ
ツクバネソウ
ツクバネソウ
シコクテンナンショウ
シコクテンナンショウ
アブラシバ
アブラシバ
サワギク
サワギク