2018年2月11日(日)に第529回月例会(安田町神峰~唐浜~安芸市下山・伊尾木方面)が行われました。
までに芸西村琴ケ浜駐車場に12名の者が集まった。その後、高橋裕子先生と赤野で合流し
総勢13名のコンパクトな参加人数であった。五台の車に分乗して、一路安芸市方面に向か
った。安芸市下山で、山側の市道に入り、神峰神社の上の公園(空と海の展望公園)まで行
った。途中、下山の上の部落で、道路脇に車をとめ、小さな神社の境内を少し観察した。境
内にはナギの巨木が1本あった。木の下には、ナギの幼木がたくさん生えていた。
空と海の展望公園には、立派な展望タワーが建っていた。また、この近くには茶畑がきれ
いに手入れされていて、その方の住まいもあるようだった。茶以外にも、ユズやシキミなどが手入れされているようだった。ユズ畑にはたくさんのワラビが冬枯れていたが、栽培されているのかな?とふと思った。
車は公園に置き、公園内を一回りした後、神峰神社上の林に入っていった。林にはイスノ
キやスダジイの巨木があった。また、この林にはルリミノキが非常に多かった。他にはナガ
バジュズネノキも点々とあった。シダではホソバノコギリシダ、ミヤマノコギリシダ、ナチ
クジャクなどが多かった。ハガクレカナワラビやオワセベニシダと考えられるシダもあっ
た。下へ下へと降りていくとやがて神峰神社に着いた。古の雰囲気を湛えた立派な神社であ
った。説明版によると、この神社の石垣は2600年前に築かれたと書かれていた。社殿の両
側には大きなアスナロの木が1本ずつ聳えていた。随分昔に植えたものだろうが、立派に育
っていた。ちょっと珍しいと思った。アスナロという木を植えたいきさつなど知りたいと思
ったりした。社殿の下の林には、県の天然記念物のクスノキの大木があった。さすがに見事
なものだった。また突出した大きさの杉の巨木も2本あったが、2本とも県下でもかなり上
位にランクされる大きさのものだと思った。クスノキにはアオガネシダなどがたくさん付
着していた。社殿の周りには、たくさんのシロヤマシダが冬枯れていた。
神峯神社周遊コース入り口 |
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再び神社奥の林の中のはじめに歩いた道とは違うルートの遊歩道を登りながら観察した。
途中弘法大師が腰かけたという伝説のある大岩の上の展望所などにも寄り、美しい海の景
色をしばし眺めたりしながら、空と海の展望公園へと帰って行った。展望公園では、展望タ
ワーに登ってみた。さすがにすばらしい眺望であった。安田や奈半利の町の様子や地形が手
に取るようによく見えたが、展望台の上はさすがに寒風が身に染みた。
その後は、車でヘアピンカーブの神峰参道を海の方に下り、途中で、唐浜方面へ降りる道
路に入り、唐浜駅の上の小さな谷でシダの観察をした。ここにはシロヤマゼンマイの群落があり、みごとに成長したこの美しいシダをしばらく楽しんだ。そして、国道55号線に出て、安芸市方面に帰ってきたが、途中、安芸市伊尾木で最近人気の伊尾木洞を一巡した。久しぶりに入る伊尾木洞は、道もよく整備されていた。その後、琴ケ浜駐車場に帰り散会した。
寒い時期で、見るものはシダと樹木が中心でしたが、それなりに多くの種類を観察するこ
とができ、充実した観察会になったのではないかと思います。それに、年のスタートの観察
会でしたが、神峰という特別に霊験あらたかな地域を訪れましたので参加された方々には
きっと良いご利益があることでしょう。お疲れ様でした。〔宇田英一〕