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The Botanical Society of Tosa

土佐植物研究会

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2018年4月15日(日)に第531回月例会(越知町小日浦聖神社~大タヲ山)が行われました。

アケボノツツジ
アケボノツツジ
 心配された天気も回復し、素晴らしい青空が広がった一日であった。9時に仁淀川橋西詰河原駐車場に17名が続々と集まってきた。早速5台の車に分乗し国道33号線を越知町に向け出発した。やがて桐見川沿いの伊野仁淀線に入り、上流に向け進んだ。
 途中で一カ所、清流と岩とキシツツジの花が美しい素晴らしいロケーションのところで少し観察した。そして下ノ谷部落で南の川方面への道に入り、やがて小日浦に入り、今日の第一観察ポイントの聖神社入り口に到着した。
 道路わきの駐車場に車を置き、急峻な渓谷の道を登って行った。聖神社は別称で「土佐の投入堂」とも言われており、鳥取県の三徳山にある国宝の投入堂に匹敵するほど険しい断崖の絶壁の岩の窪みに建てられた神社で、知る人ぞ知る非常に有名な神社である。確かに、神社までの道も非常に険しく命がけで登らねばならないほどであった。そしてこの聖神社の渓谷には、昔マンガンを採掘した洞窟のようなトンネルやスリル満点の吊り橋もあり、危険だけれども魅力を惹かれる渓谷で、ヒカゲツツジやトサノミツバツツジが咲き、トキワシダ、シシランなどシダ植物も豊富であった。
 1時間半ほどこの渓谷を調査した後、少し先の美しい花木が咲く公園のようになった場所で昼食をとった。食後は、その公園からすぐの林道に入り、大タヲ山の展望地の方へ車で移動した。途中、ショウジョウバカマがきれいな紅紫色の花を点々と咲かせていたりした。道は険しいところもあったが、全員無事展望地になっている広い駐車場に到着した。須崎の海が見下ろせる好展望地であった。そして、あたりを見回すと岩山にトサノミツバツツジが満開で、絵のように美しい光景が広がっていた。
 やがて私たちは、誰からともなく列をなして、岩山の林の中に入って行った。急な藪の中を必死で登っていると、やがて眼前に見事なまでのピンクのかたまりが目に飛び込んできた。かなり大きなアケボノツツジの木が、どの枝にもピンクの花をびっしりと咲かせ、折からの風に可憐な花びらを震わせていた。「風よ吹くな!!」と叱りながら、皆思い思いにカメラに収めていた。この山のアケボノツツジは花期としては本当にピッタリのタイミングであった。標高が800mほどの位置にこんなにたくさんのアケボノツツジが群生していて本当に貴重な場所だと実感した。さらに、林の中のロープに導かれて進んでいくと別の場所にもアケボノツツジが見事に咲いていて、そこにはヒカゲツツジも満開で、二つの花が競演していた。また、フモトスミレやニオイタチツボスミレなどの立派な株が満開の花をつけている状態にも出合った。フジツツジも咲いていた。
 やがて皆さん満足した表情で車のところに戻り、そこで車代の精算を済ませ2時半ごろに下山を開始し、気を惹くものが見つかる度に車を止めて観察しながら帰った。最後に仁淀川橋西詰駐車場に全員が再集合し、新入会員の福井泰介さんの自己紹介のご挨拶もいただきました。今後ともよろしくお願いします。
 今日の観察地は越知町小日浦という場所がメインであったわけだが、奇しくも、今から60年ほど前に高橋裕子先生がお若い頃、3ヶ月間小日浦の中学校で教鞭をとられたというお話を伺ったことが、たいへん印象的な観察会であった。高橋先生にとっては一段と感慨深いものがおありだったことでしょう。そして担当者としては、みなさんが険しい投入堂の渓谷も無事観察できたことがなにより嬉しくまたほっとした一日でした。本当にお疲れ様でした。〔文:宇田英一〕
断崖に建つ聖神社
断崖に建つ聖神社
ヒカゲツツジ
ヒカゲツツジ
大タヲ山トサノミツバツツジ
大タヲ山トサノミツバツツジ
ショウジョウバカマ
ショウジョウバカマ